第10 熱中症対策
内で熱の産生と放出のバランスが崩れて体温が著しく上昇した状態です。
熱中症には2つのタイプがあります。
1) 労作性熱中症:野外での肉体労働やスポーツなど筋肉運動をすることで発症します。湿度が高く風のない日おこりやすい一般的なタイプです。
2) 非労作性熱中症:屋内でも暑く高湿度の環境下に長時間曝されると発症します。猛暑日や熱帯夜が続くと食欲が低下し体力が奪われて脱水状態となります。特に持病のある高齢者などに発症します。その理由として高齢者では暑さに対する感受性が低下しているため高温環境下でも不快に感じなくなり適切に冷房を使用しないためなどが考えられています。
頭痛、筋肉痛、足がつる(こむら返り)、嘔吐、倦怠感、食欲不振などがみられますが、重症化すると意識障害やけいれんなどが起こり重篤な時には死に至る病状を示します。日本救急医学会の熱中症分類ではT、U、V度の3つに分類しています。それぞれ軽症、中等症、重症と考えるとよいと思います。
1)T度:めまい、たちくらみ、生あくび、大量発汗、筋肉痛、筋肉硬直、こむら返りなどで意識ははっきりしている。この場合、涼しい所で安静にし、アイスパッドなどで体表を冷却して経口的に水分と塩分を十分に摂ることで速やかに軽快します。
2)U度:頭痛、嘔吐、倦怠感、虚脱感、、集中力や判断力の低下がみられます。この場合は医療機関での受診が基本です。
3)V度:意識障害、けいれん発作、平衡障害などの中枢神経症状がみられます。さらに進行すれば出血傾向など血液凝固異常がみられます。血液検査で肝機能障害や腎機能障害など多臓器不全の兆候がみられ極めて危険な状態です。救急搬送が必要です。
熱を下げることが最も重要で腋窩(脇の下)、頸部(首回り)、鼠径部(足の付け根)にアイスパックを当てて体温が38度を切るまで続けます。これらの部位は大きな動脈が走っているのでそこを冷却することで全身に循環する血液の温度を下げることによって体温を下げることができます。
涼しい所で安静を保ち、水分と塩分を十分に補給することが重要です、意識低下などがみられる場合は迷わず医療機関をすぐに受診してください。
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